伊坂幸太郎さんのおすすめ本をランキング形式で紹介していきます!
小説家として絶大な人気を誇る伊坂さん。彼のおすすめ本を探している方は、ぜひ参考にしてください!
伊坂幸太郎(いさかこうたろう)とは?
1971(昭和46)年千葉県生れ。
1995(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。
2002年刊行の『ラッシュライフ』が各紙誌で絶賛され、好評を博す。2003年に発表した『重力ピエロ』は、ミステリファン以外の読者からも喝采をもって迎えられ、一気に読者層を広げた。また『重力ピエロ』で、1970年代生れとしては、初の直木賞の候補となる。
2004年『チルドレン』、2005年『グラスホッパー』、2006年『死神の精度』が直木賞候補に。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。洒脱なユーモアと緻密な構成で読む者を唸らせ、近年稀にみる資質の持ち主として注目を浴びている。
2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と山本周五郎賞を受賞した。(引用:Amazon 著者略歴)
2000年以降、怒涛の活躍を見せる伊坂幸太郎さん。
1970年代生まれとしては、初の直木賞候補となるなど、若いですが才能であふれています。
伊坂作品の中には映画化・ドラマ化されたものも多く、多くの人を魅了。
2020年には49歳の誕生日を迎える伊坂さん。巧妙な伏線回収とリズミカルな文体にさらに磨きがかかります。
まだまだ現役バリバリなので、今後の伊坂さんの活動に注目!
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2020年、最も注目しているしている作家さんの一人です!
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伊坂幸太郎のおすすめ本【1位~10位】
伊坂幸太郎のおすすめ本ベスト10を発表します!
初心者の方でも一気読み間違いなしの10冊を紹介。
1位 砂漠
- 発行日:2010/6/29
- 発行所:新潮社
- 備考:2006年、直木賞候補
入学した大学で出会った5人の男女。
ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決……。
共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。
自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。
二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。
(引用:新潮社 書籍紹介:砂漠)
伊坂幸太郎さんのおすすめ本ランキング第1位は2010年発行の『砂漠』。
5人の大学生が繰り広げる物語は、まさに青春そのもの。
特に若い世代の方におすすめの小説で、大学生は必読の1冊だと思います。
タイトルの「砂漠」にはいろいろな意味が込められていて、「社会」に例えるとその本質が見えてきます。
学生は小さな町に守られているんだよ。町の外には一面、砂漠が広がっている。町の中にいて一生懸命、砂漠のことを考えるのが、君たちの仕事かもよ。言っておくけどね、砂漠は酷い場所だよ(『砂漠』より)
大学生という何もできないちっぽけな存在だけど、それでも希望を持って自由に生きたい!という熱いメッセージが伝わってくる本です。
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本気になれば、砂漠に雨を降らせることだってできる…!
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2位 陽気なギャングが地球を回す
- 発行日:2006/2/1
- 発行所:祥伝社
ロマンはどこだ!?
人間嘘発見機、演説の達人、天才スリ、そして正確な体内時計を持つ女。
この4人の天才達は「人を傷付けない」ことをポリシーとする銀行強盗だった。
その戦歴は百発百中……のはずが、思わぬところで誤算が生じ、せっかくの「売り上げ」を逃走中の現金輸送車強盗犯に横取りされてしまう事に。
そこで彼等は奪還に動こうとする。
(引用:Wikipedia)
伊坂作品の中でも特に熱狂的ファンが多いのが、こちらの「陽気なギャング」シリーズ。
- 陽気なギャングが地球を回す
- 陽気なギャングの日常と襲撃
- 陽気なギャングは三つ数えろ
特に第一作の『陽気なギャングが地球を回す』は非常に人気で、映画化もされています(2006/5/13公開 主演:大沢たかお)
読んでいて終始ハラハラドキドキする物語で、刺激的な読書をしてみたいという方におすすめ!
手に汗握る展開に目が離せません。
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ちょっぴりおかしな、史上最強の強盗集団のお話です!
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3位 オーデュボンの祈り
- 発行日:2003/11/28
- 発行所:新潮社
- 備考:第5回新潮ミステリー倶楽部賞受賞
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。
江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。
嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。
次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。
未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?
(引用:新潮社 書籍紹介:オーデュボンの祈り)
伊坂幸太郎の伝説のデビュー作!
『オーデュボンの祈り』を読んで伊坂ファンになった方も多いのではないでしょうか。
コンビニ強盗、見知らぬ島、不思議な人間との暮らし、未来が見えるカカシ。
次々と予想外の出来事が起こり、全くストーリーが予測できません!
まさかの展開に驚きながら、一気に読めてしまう小説です。
正直、これがデビュー作とは驚き。伊坂ワールド全開の1冊!
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純粋に読書を楽しみたい方にピッタリの作品です!
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4位 ゴールデンスランバー
- 発行日:2010/11/29
- 発行所:新潮社
- 備考:第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞受賞
衆人環視の中、首相が爆殺された。
そして犯人は俺だと報道されている。
なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない──。
首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。
暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。
行く手に見え隠れする謎の人物達。
運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。
スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
(引用:新潮社 書籍詳細:ゴールデンスランバー)
堺雅人主演の映画が話題となり、伊坂作品の中でも特に知名度が高いのが『ゴールデンスランバー』。
平凡な日常を過ごしていた青年が、ある日突然首相暗殺の犯人にでっち上げられてしまう。
やってもいないのに濡れ衣を着せられ、黒スーツの男たちに追われる主人公の青柳雅春。
社会の裏側の黒い部分が見え隠れする、そんなお話です。
スリル満点の物語で、読み始めたら止まりません!
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僕はこの本がキッカケで伊坂ファンになりました!
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5位 死神の精度
- 発行日:2008/2/8
- 発行所:文藝春秋
- 備考:2008/3/22 映画「Sweet Rain 死神の精度」公開
(1)CDショップに入りびたり
(2)苗字が町や市の名前であり
(3)受け答えが微妙にずれていて
(4)素手で他人に触ろうとしない
——そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。
1週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌8日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う6つの人生。
(引用:文藝春秋BOOKS)
人生の終わりが近づいた人のもとへ死神が舞い降りてきて、死期は妥当か?もっと生きるべきか?判決をくだします。
人の死には意味がなく価値もない。つまり逆に考えれば、誰の死も等価値だということになる。だから私には、どの人間がいつ死のうが関係がなかった。けれど、それにも関わらず、私は今日も、人の死を見定めるためにわざわざ出向いている。なぜか?仕事だからだ。やるべきことはやるが余計なことはやらない(『死神の精度』より)
- 死神の精度
- 死神と藤田
- 吹雪に死神
- 恋愛で死神
- 旅路を死神
- 死神対老女
上記6つの短編からなる小説です。
死神・千葉の「人間っぽさ」にクスッと笑い、時折見られる哲学的言動に「ほ~」っと納得。
ある意味人間よりも人間らしい死神・千葉のファンも多いはず!
- ミュージックが大好き
- 苗字が町や市の名前
- 会話がかみ合わない
- いつも手袋をしている
こんな人が近づいてきたら、死神・千葉かも…。
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「死」に対する価値観が変わる1冊です!
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6位 重力ピエロ
- 発行日:2006/6/28
- 発行所:新潮社
- 備考:2003年 直木賞候補・2009/5/23映画公開 主演:加瀬亮、岡田将生
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。
家族には、過去に辛い出来事があった。
その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。
連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。
そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。
謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。
溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
(引用:新潮社 書籍詳細:重力ピエロ)
「春が二階から落ちてきた。」
という書き出しが有名ですが、この本を最後まで読むと、物語全体のニュアンスを上手く表現した秀逸な表現だなと思えるものだから面白い。
物語を一貫して「二重らせん構造」「相補性」「コドン」など、DNA概念に絡んでくる点も本書の特徴。
ルールは超えられるし、世界だって変えられる。
世間の常識という重力にさからうような見事な小説です。
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映画よりも小説の方が面白いです!
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7位 首折り男のための協奏曲
- 発行日:2016/11/28
- 発行所:新潮社
被害者は一瞬で首を捻られ、殺された。殺し屋の名は、首折り男。
テレビ番組の報道を見て、隣人の“彼”が犯人ではないか、と疑う老夫婦。
いじめに遭う中学生は“彼”に助けられ、幹事が欠席した合コンの席では首折り殺人が話題に上る。
一方で、泥棒・黒澤は恋路の調査に盗みの依頼と大忙し。
二人の男を軸に物語は絡み、繋がり、やがて驚きへと至る!
伊坂幸太郎の神髄、ここにあり。
(引用:新潮社 書籍詳細:首折り男のための協奏曲)
スラスラと読める短編集です。
- 首折り男の周辺
- 濡れ衣の話
- 僕の舟
- 人間らしく
- 月曜日から逃げろ
- 相談役の話
- 合コンの話
それぞれの短編の間には共通の登場人物や設定があります。
「すべての短編を読み終えると衝撃のラストが…!」みたいなのはありませんが、1つ1つの物語が面白い。
他の伊坂作品とのつながりもあり、ファンとしては「あ、あのときの!」となるので、読んでいて楽しくなる1冊。
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リズミカルな文章が心地良いです!
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8位 グラスホッパー
- 発行日:2007/6/23
- 発行所:角川書店
- 備考:2004年 直木賞候補
「復讐を横取りされた。嘘?」
元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに──。
「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
(引用:KADOKAWA グラスホッパー あらすじ)
「伊坂幸太郎史上、最大の問題作にして最強傑作!」と言われる1冊。
2015年には映画化されており、生田斗真、浅野忠信、山田涼介など、豪華出演者で話題となりました。
- 元教師の「鈴木」
- 身長190cmで体重90kgの自殺屋「鯨」
- 驚異の身体能力をもつクールな若者「蝉」
- 伝説の押し屋「槿」
四人の人生が交錯するスピーディな展開とスリル満点の物語が特徴的。
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THE ハードボイルド小説!って感じで、好きな人にはたまらない1冊です!
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9位 ラッシュライフ
- 発行日:2005/4/24
- 発行所:新潮社
- 備考:2009/6/13映画公開 主演:堺雅人
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。
父に自殺された青年は神に憧れる。
女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。
職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。
幕間には歩くバラバラ死体登場――。
並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。
不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。
巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
(引用:新潮社 書籍詳細:ラッシュライフ)
ラッシュライフの「ラッシュ」には、さまざまな意味が込められています。
- lash:むち打つこと、激しく動かす
- lush:豊富な、景気のいい、のんだくれ
- rash:軽率な、せっかちな、吹き出物
- rush:突進する、大多忙、ご機嫌取り
いろんな「ラッシュ」が、この本の中に散りばめられているのも読んでいて面白いポイント。
最高時速240キロの場所から物語が始まる
時速1374キロで日は沈みはじめ、物語はようやく動きだす
秒速2メートルで回転するコンパクトディスクが止まり、物語も急速に終わりに近づいていく
一見何の接点もない登場人物たちが、物語の後半にある一点で交差します。
巧みに計算しつくされた長編小説で、最後まで興奮が冷めません。
みんな大好き泥棒黒沢も登場しますよ…!!
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面白いので一気に読めちゃいます!
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10位 アヒルと鴨のコインロッカー
- 発行日:2006/12/21
- 発行所:東京創元社
- 備考:第25回吉川栄治文学新人賞受賞、2007/6/23映画公開 主演:濱田岳、瑛太
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は――たった1冊の広辞苑!?
そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
(引用:東京創元社)
たった1冊の広辞苑のために人生をかけて本屋を襲う二人の物語。
挿入エピソードがちょっと過激なので苦手な人は苦手かもしれませんが、あくまで「物語としての面白さ」を基準に評価しました。
緻密に計算されたどんでん返しも用意されており、終盤では過去と現在の点と点がつながります。
伏線回収系が好きな方に特におすすめ。
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この作品に関しては、映画もおすすめですよ!
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伊坂幸太郎のおすすめ本【11位~12位】
ここからは、11位以降のおすすめ本を紹介します。
惜しくも10位以内には入らなかったものの、どれも面白い作品です。
伊坂幸太郎ファンなら、ぜひ読んでおきたいところ。
11位 ジャイロスコープ
- 発売日:2015/7/1
- 発行所:新潮社
助言あります。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。
人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。
バスジャック事件の“もし、あの時……”を描く「if」。
謎の生物が暴れる野心作「ギア」。
洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。
書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。
(引用:新潮社 書籍詳細:ジャイロスコープ)
伊坂幸太郎さんのデビュー15年を記念した文庫版オリジナル短編集。
- 浜田青年ホントスカ
- ギア
- 二月下旬から三月上旬
- if
- 一人では無理がある
- 彗星さんたち
- 後ろの声がうるさい
上記7つの短編で構成されています。
伊坂幸太郎らしさにあふれており、ファンにはたまらない1冊。
文庫本では、最後に貴重な伊坂幸太郎インタビューものっています。
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デビュー15周年記念の短編集です!
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12位 フィッシュストーリー
- 発売日:2009/11/28
- 発行所:新潮社
- 備考:2009/3/20 映画化
最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。
爽快感溢れる作品集。
(引用:新潮社 書籍詳細:フィッシュストーリー)
- 動物園のエンジン
- サクリファイス
- フィッシュストーリー
- ポテチ
上記4つの中編からなる小説です。
「サクリファイス」「ポテチ」では、あの黒沢さんも登場!
一人の強い願いが遠い未来で誰かを救う。
無駄なことなんてないんだ、と希望を持たせてくれる1冊。
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どうしようもない「やるせなさ」から救ってくれる本です!
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13位 オー!ファーザー
- 発行日:2013/7/1
- 発行所:新潮社
- 備考:2014/5/24 映画化 主演:岡田将生
父親が四人いる!?
高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父× 4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件──。
知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。
多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。
伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。
(引用:新潮社 書籍詳細:オー!ファーザー)
四人の超個性的な父親を持つ高校生の物語。
どの父親もちょっぴり変わりものですが、家族への愛は本物。
事件に巻き込まれがちな息子を命がけで助ける父親の姿に感動します。
物語前半でまき散らかした数々の伏線を、後半で一気に回収するという、まさに伊坂ワールド全開な本。
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4人の父親をお持ちの方は共感の嵐です!
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14位 夜の国のクーパー
- 発行日:2015/3/20
- 発行所:東京創元社
目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。
仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。
「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める
――これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。
(引用:東京創元社)
隣国との戦争に負けた「ある国」が舞台。
そこに住んでいた猫から見た人間の世界を描くという、ちょっと変わった物語。
猫の視点だからこそ見えてくる、人間の弱さ・儚さ・力強さにハッとします。
恐怖・切なさ・感動が入り混じる、読み応えバツグンのおすすめ本。
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人間味あふれる小説です!
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15位 バイバイ、ブラックバード
- 刊行日:2010/8/30
- 発行所:双葉社
星野一彦は〈あのバス〉で連れて行かれる事が決まっており、体型から態度まで何もかもが規格外の繭美に監視されていた。
星野は五股をかけており、連れていかれる前に5人に別れ話をしに行きたいと頼んだ。
幼少期に母親が出先で交通事故に遭って死んでしまい、待たされることの心細さを身を持って知っていたからだ。
仕方なく繭美が仲間に確認すると「面白そうだから」と言う理由で許可が下り、繭美は仕方なく星野に付き添う事になった。
だが星野は〈あのバス〉で連れていかれる事を相手に言いたくないと言い、代わりに繭美と結婚するからという理由で5人に別れ話をしに行く事になった。
(引用:Wikipedia)
五股をかける最低男が主人公の物語。
怪しげなバスで「あっちの世界」に連れて行かれることが決まった主人公は、自分の人生の最後の時間を使って、五人の恋人たちに別れを告げることに。
五股は最低ですが、なぜか憎めない主人公。ところどころで同情さえしてしまいます。
切ない物語の最後には、わずかな希望の光が…。
伊坂幸太郎らしさがあふれる小説。
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五股をかけたことがある方は、強く共感できると思いますよ!
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16位 PK
- 発行日:2014/11/14
- 発行所:講談社
彼は信じている。時を超えて、勇気は伝染する、と
――人は時折、勇気を試される。
落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。
その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。
勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。
三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。
(引用:講談社BOOK倶楽部)
小さな勇気をくれるヒーローの物語。
- 何をやっても上手くいかない
- どうして自分だけこんなに不幸なのか
- 人生つまらない
一つでもあてはまる方に読んでほしい1冊。
人間はちっぽけで、一人じゃ何もできないけど、それでも勇気を出して動けば、いつか・どこかで・だれかの希望になれるかもしれない…。
前を向いて生きていこうと思える本です。
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希望を抱いて人生を歩みたい人におすすめ!
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17位 アイネクライネナハトムジーク
- 発行日:2017/8/5
- 発行所:幻冬舎
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。
人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。
でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。
情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。
明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。
(引用:幻冬舎 書籍詳細:アイネクライネナハトムジーク)
ほのぼのとした、幸せな気分になれる短編集。
- アイネクライネ
- ライトヘビー
- ドクメンタ
- ルックスライク
- メイクアップ
- ナハトムジーク
「アイネクライネ」を読んで恋愛小説かと思いきや、後半へいくにつれて徐々に友愛小説へと変化。
この流れるような変化が心地よく、1冊読み終えるころには、愛に満ちた気持ちになれます。
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心あたたまる、愛の物語です!
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18位 チルドレン
- 発行日:2007/5/15
- 発行所:講談社
- 備考:2004年 直木賞候補
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。
彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。
何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。
ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。
(引用:講談社BOOK倶楽部)
伊坂幸太郎といえば、まずはコレ!と言われる本です。
- バンク
- チルドレン
- レトリーバー
- チルドレンⅡ
- イン
一見すると全く関係のない上記5つの物語が、キーパーソン・陣内により結び付けられます。
この陣内という男はやることなすこと全てがめちゃくちゃですが、ときどき心に響く熱い言葉を残します。
「少年と向かい合うのに、心理学も社会学もないっつうの。あいつらは統計じゃないし、数学でも化学式でもない。調査官は、担当する少年が、『他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴』だと思って向かい合わないと駄目なんだよ」(『チルドレン』より)
誰も死ぬことなく、不幸にもならない。読んだ後はなんだか幸せな気持ちになる…そんな作品。
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心地よい幸福感を感じられる本です!
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19位 クジラアタマの王様
- 発売日:2019/7/9
- 発行所:NHK出版
巧みな仕掛けとエンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放ったノンストップ活劇エンターテインメント。
異物混入、政治家、アイドル、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥――。
伊坂幸太郎の神髄がここに。
(引用:NHK出版)
菓子会社に勤める男の物語…かと思いきや、夢と現実がリンクするという、摩訶不思議な展開に!
新型コロナウイルスの流行を予想していたかのような場面もあり、かなり驚きました。
『クジラアタマの王様』では、これまでの伊坂作品とは一風変わって、挿し絵を使用するという新たな挑戦を試みています。
表現の仕方は少し変わりましたが、本質部分は伊坂幸太郎のまま。巧妙な伏線回収や時折見られるジワジワくる洒落の数々は健在。
激しい時代の流れとともに、伊坂幸太郎さん自身も変わりつつあるようです。
文字だけでなく、様々な表現に挑戦する著者の今後に期待が高まります。
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著者の今後がさらに楽しみになる本です!
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20位 マリアビートル
- 発行日:2013/9/25
- 発行所:角川文庫
酒浸りの元殺し屋「木村」。
狡猾な中学生「王子」。
腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。
運の悪い殺し屋「七尾」。
物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する!
『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。
(引用:角川文庫)
『グラスホッパー』が面白いと感じた方には、ぜひ読んでほしい「殺し屋シリーズ」の第二弾。
やや長いですが、目まぐるしい展開に目が離せないので、休む暇なく一気に読めます。
超個性的な殺し屋たちのユーモアあふれる物語。
特に「蜜柑」と「檸檬」のかみ合っているようでかみ合っていないやり取りがクスッと笑えて個人的に好きです。
過去の伊坂作品に登場した人物もチラホラあらわれるのも楽しめるポイント。
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グラスホッパーの次は『マリアビートル』!
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21位 死神の浮力
- 発売日:2016/7/8
- 発行所:文藝春秋
一年前、一人の少女が殺された。
犯人として逮捕されたのは近所に住む二十七歳の男性、本城崇。
彼は証拠不十分により一審で無罪判決を受けるが、被害者の両親・山野辺夫妻は本城が犯人だということを知っていた――。
人生をかけて娘の仇を討つ決心をした山野辺夫妻の前に、死神の千葉が現れる。
(引用:文藝春秋BOOKS)
『死神の精度』の続編。死神の「千葉」も登場します。
あらためて「死」について考え直すきっかけとなる1冊。
「人間は、その日を摘むこと、日々を楽しむことしかできないんだ。というよりも、それしかできないんだ。なぜなら人間はいつか死ぬから」
「人間は死のことを知っている。そのことを考えないようにしているが、それにしても動物と違い、死ぬことをしっている」
(『死神の浮力』より)
ところどころに出てくる言葉が胸に刺さります。
誰もがいつか必ず「死」を迎えるわけですが、「死ぬ準備」をしている人はほとんどいません。
死が近づいてから「あれもやりたい、これもやりたい」とならなように、毎日を大切に生きよう。そんなふうに思える本です。
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「死」について考え、後悔しない生き方を学べる小説です!
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伊坂幸太郎のおすすめ本【まとめ】
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
伊坂幸太郎のおすすめ本についてランキング形式で紹介していきました。
彼はまだ現役バリバリなので、これからも素晴らしい作品を生み出し続けます!
そのため、他にも気にいった本を見つけたら、この記事に追記します。